精油とは? ①精油の特性と作り方

アロマテラピーは精油を使い、さまざまな方法で、心身を整える自然療法です。

アロマテラピーに使用する精油はどのようなものか、どのように製造するのか、簡単にご紹介したいと思います。

目次

精油とはなにか

精油の正体

植物の中には、香りのある芳香植物と呼ばれるものが多数あります。

精油とは芳香植物の二次代謝産物であり、その種が生存するために、ウイルスや細菌の感染防止や防御に必要な成分で、含まれる成分は植物により異なります。

空気中に漂っている芳香成分と精油とでは、同じものでも濃縮度が全く異なり、精油には強力な薬理作用があるので注意が必要です。

精油の蓄えられる場所

精油は、腺毛、油胞、油道、油室などの特別な組織に蓄えられ、蓄えられる場所は植物によって異なります。

また植物によっては、異なる部位に異なる精油が蓄えられていることもあります。

精油の組成は完成度が高く、それぞれの植物の特性を反映しています。

精油の特性

精油は天然の化学物質が、数十から数百集まった有機化合物で、油という字がつきますが、ベタつかずサラサラとした感触のものがほとんどです。

精油には次のような特性があります。

①揮発性

精油は揮発性の芳香物質で、密閉せずに放置すると蒸発してしまいます。

②脂溶性

精油は水には溶けにくく、油やアルコールによく溶けます。

③薬理効果

精油の主成分は、炭化水素、アルコール類、アルデヒド類などで分子が小さく、さまざまな薬理作用があります。

④変質、劣化しやすい

精油成分は、光、熱、酸素などにより、成分が変化したり、劣化するものが多く、保存する際は遮光瓶に入れて、冷暗所で保存すると品質が保ちやすくなります。

⑤可燃性

精油は可燃性で引火しやすいので、火の近くでの取り扱いには注意が必要です。

精油の製造方法

精油の抽出方法は植物の特性、部位によって異なります。

また抽出方法によって、同じ植物でも、精油の抽出量、香り、成分や作用、価格などが異なり、購入する際には確認するポイントの一つです。

精油の代表的な抽出方法をご紹介します。

水蒸気蒸留法

精油を抽出するのに最も一般的で、多くの植物がこの方法で精油の抽出が行われます。

原料の植物を、蒸留器のなかに入れて、水蒸気を送り込み加熱すると、植物の精油成分が気化し、水蒸気と共に放出されます。

それを冷却管に通し冷やすと、精油と精油成分の溶け込んだ蒸留水が出来上がります。

精油は水より軽く、溶けにくいため、精油と蒸留水は分離し、水に溶けずに浮いてきた精油を分離する事ができます。

蒸留水にも精油成分が含まれているので、芳香蒸留水として、化粧水などに利用されています。

圧搾法

柑橘類の果皮から精油を抽出する方法で、ローラーや遠心分離機などで熱を加えず圧搾して精油を抽出します。

熱による変質がないので、自然のままのフレッシュな香りが楽しめますが、不純物が混入しやすく、他の精油に比べて劣化しやすくなります。

有機溶剤法

原料を石油エーテルやヘキサンに浸すと、精油成分と天然ワックス成分が溶け出して、「コンクリート」という物質ができます。

このコンクリートに、アルコールを混ぜて芳香成分だけを抽出します。

抽出されたものは「アブソリュート」といい、濃厚で強い香りがあります。

アブソリュートには微量の溶剤が残る事があり、溶剤には毒性もあることから、肌に使用する際にはパッチテストを行い、低濃度で使用するようにしましょう。

油脂吸着法

高温に弱い精油成分を壊さずに抽出できる方法ですが、製造コストが高くつくため、現在ではあまり行われていません。

アンフラージュ法(冷浸法)とマセレーション法(温浸法)の2種類があります。

超臨界流体抽出法

二酸化炭素に圧力をかけて液体化させたものを溶剤として使用します。

原料と溶剤に超高圧をかけて、液体と気体の間くらいの超臨界状態にすると、芳香成分が吸着されます。

そこから二酸化炭素を気化させると、精油だけが残されます。

この方法だと、ほとんどの成分が抽出され、高品質な精油を抽出する事ができます。

機械のコストが高く、あまり一般的ではないですが、近年ではCBDオイルの抽出によく使われている抽出方法です。

精油を選ぶ際に注意したいポイント

精油にはたくさんの種類がありますが、購入する際には注意したほうが良いポイントがいくつかあります。

①100%天然のものか。

②原料の植物の学名、栽培方法、原産地が表示されているか。

③抽出部位、抽出方法は適正か。

④製造年月日や使用期限が確認できるか。

⑤遮光性のビンに入っているか、ドロッパーやスポイトなどが付いているか。

販売されている精油の中には、同じ植物でも抽出される成分が異なる物がありますが、植物学的には同じなので、タイプを区別するために「ケモタイプ」と呼び、学名のあとに特徴的な成分を記しています。

また刺激成分の除去などの加工が行われているものがあるので、表示をよく見て確認してから購入することをお勧めします。

精油の保管方法

精油は酸化や熱などにより、品質が劣化し香りも変化するので、保管方法に注意が必要です。

保管する際は以下のことに気をつけましょう。

①遮光ビンに入れた状態で、冷暗所に保管する。

②火のそばに置かない。

③使用期限を守ること。

④プラスチックの容器を希釈に使わない。

⑤ペットや子供の手の届かないところに保管する。

まとめ

今回は精油の特性と製造方法、購入する際のポイントや保管方法などをご紹介しました。

次回は精油の薬理作用や、使用する際の注意点についてご紹介します。

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サイト運営者

こんにちは!ご来訪ありがとうございます。
暮らしの中のアロマテラピーをコンセプトに、日常生活で役立つアロマクラフトレシピをご紹介しています。
私は自然原料を使ったコスメを手作りし、アレルギー性皮膚炎を完治させました。
それ以来、日常的に使う化粧品、ホームケア用品を手作りしています。
精油を買ったけど、どうやって使うかわからない、、という方のために簡単に作れるアロマクラフトの写真付きレシピを公開しています。

アロマテラピー歴 15年
AEAJアロマテラピーアドバイザー/アロマブレンドデザイナー

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